こんにちは。
FPのばれんです。
今回は、2024年から新たに新設される”新NISA”制度について徹底解説をしていきたいと思います。
既にNISAを活用されている方にとっても、そうでない方にとっても非常に重要な改定があるので、知っトクな情報です。
それではいってみましょー。
目次
■ 新NISA制度はどんな内容?
さぁ、まずは新NISA制度についてどんな内容なのか見て行きたいと思います。
と一覧にしても非常に分かりにくいと思うので、もう少し紐解いていきましょう。
現在、NISA制度には2つの制度が存在します。
① 一般NISA…”年間120万円×5年間”まで投資可能(投資可能期間は”2023年”まで)
② つみたてNISA…”年間40万円×20年間”まで投資可能(投資可能期間は”2037年”まで)
それぞれ現行の2つのNISA制度では、投資可能期間が違います。
つみたてNISAについては投資可能期間が2037年までとなっているので、これからつみたてNISAを利用する方も満期の20年間は投資可能になります。
一方で”一般NISA”はどうでしょうか。
今から投資を開始する方にとっては、2023年まで残り2年しかありません。
そこで!
新NISAを作って投資できる環境を延長してあげよう!
という事でできたのが新NISA制度です。
では実際に上の表を元に一般NISAと新NISAの違いについて見て行きたいと思います。
1:新NISAでは‟2階建て”に変わる
2階建て…なんだそれは。
となりますね。
今回の新NISA制度では、一般NISA制度と比較すると年間2万円多い、122万円の投資が可能になりました。
マックスで122万円を購入したいと考えた際には、まず1階部分の投資を行うことが必要になります。
すなわち、まずは年間で20万円のつみたてを行う事ができた方が2階部分を使用することができるようになります。
全体として、2万円の投資金額が増額となったので、5年間で10万円の伸びしろが増えた形になったとみることができます。
今までの一般NISAと異なる部分として2階建てとなったという点が、最初の変更点になります。
2:投資可能期間(ロールオーバー)が延長
次のポイントは投資可能期間の改定です。
一般NISAでは投資可能期間が2023年までとなっています。
すなわち、今年から一般NISAを選択された方であれば、3年間のみしか投資可能期間がありません。
ところが、今回の新NISAの新設によって、投資可能期間が5年間延長になり、2028年までの投資が可能となりました。
そのため、2020年以降に運用を開始された方であってもロールオーバーを活用することで、最大8年間(2020年から2028年まで)の非課税期間での資産運用ができることになります。
さらに!
先ほど新NISAは2階建てであるとお伝えしました。
1階部分の20万円/年の運用については2028年以降、つみたてNISAとして引継いだ状態でそこからさらに20年間の運用ができるようになります。
このことからも現行のNISA制度と比較すると、やや分かりづらい制度となってしまいましたが、非課税期間が長く、長期の資産運用ができるようになります。
ここは長期で資産運用を設計する多くの方に取っては、いい内容とも言えそうです。
3:ロールオーバーの仕組みが変わる
最後はロールオーバーの仕組みが変わるという点です。
というか…ロールオーバーってなに?
ロールオーバーとは、非課税期間を延長させることを指します。
冒頭の表でご覧頂いた通り、現行のNISAや新NISAではロールオーバーが可能です。
通常は5年間の非課税期間の終了後に更に5年間のロールオーバーができるのが一般NISAのルールです。
すなわち、120万円×5年間で最大600万円について、掛かる利益には非課税(税金が掛からない)期間を延長することができる訳です。
これがロールオーバーになります。
ではその仕組みが変わるというのはどういうことか?
見て行きましょう。
上記の図で見て行きたいと思います。
投資金額を50万円で始め、その資産が112万円まで膨らんだものと仮定します。
今までの一般NISAであれば、投資元本について引継ぎを行うことができるので、”50万円”がロールオーバの対象となります・
しかし今回の新NISA制度では、ロールオーバができるのは、投資元本ではなく、投資結果である112万円となるのです。
ですので、この部分についてはNISA制度で運用がうまくいった際には、ロールオーバーで余った枠を有効に使えなくなる可能性もあり、改悪とも見て取れると感じます。
また、仮に上記の図の例で現行の一般NISAより新NISAへロールオーバーをした際には、まず、2階部分である102万円より投資結果を差し引くことになります。
ですので、102万円-112万円=-10万円となります。
そして更にこの-10万円分を1階部分である20万円から差し引くことになるので、20万円-10万円=10万円となります。
すなわち、この10万円分というのがロールオーバ以降に活用できる資産運用枠になり、新たに積立NISAとして10万円の資産運用を行えるようになるのです。
すこし、やっかいな改正ですが、このようにロールオーバーの仕組みが今回の新NISAで変更になるということがお分かり頂けたと思います。
■ 新NISA制度をどう有効活用するか
新NISA制度をどのように有効活用していくかは、今からしっかりと考えておく必要があると思います。
今回の大まかな改正ポイントでは、3つのポイントを紹介しました。
人によっては投資可能金額が120万円から122万円に増えるので、2024年以降に初めよう!
と考える方も多くいるかと思います。
しかし答えは否です。
バレンの私見と経験から考えるに、今からコツコツ可能な範囲で初めてみることが大切です。
何故なら、制度は目まぐるしく変わる可能性がありますし、投資においては開始時期よりも投資期間が何よりもリスク分散に繋がるからです。
投資の世界では有名なウォーレンバフェットさんでさえこんな言葉を残しています。
byウォーレン・バフェット
投資の世界で最も成功しているバフェットさんでさえ、このような時間の尊さを語っています。
今、まさにNISAを検討している皆さんも流れる時間は平等ですし、限りある時間です。
この時間を無駄にしないためにも是非、今回のブログが皆様の今後の資産運用にお役に立てれば幸いです。